2025年3月7日 第19回地域連携情報交換会 予告編

座談会 今後の病院や介護施設の運営 (2025年1月)
場所 さくら記念病院 法人本部
出席者
  • さくら記念病院 清水本部長
  • さくら記念病院 村井課長(法人本部)
  • さくら記念病院 貫井室長(地域連携室)

診療報酬や介護報酬が上がらず、経費は高騰する中、今後の病院や介護施設の運営をどうするとよいかをざっくばらんに話し合いましょう。

(2024年は休廃業・解散件数は722件で過去最多を更新しています)

こうなってくると今の資源を生かしていかに効率(利益率)を上げるかがポイントになってきますよね。
そのためには各病院や介護施設に適した患者、利用者の確保と循環。そしてその患者・利用者の確保のために営業が不可欠になってきますよね。
で、営業となると普通は医療連携室(病院の場合)となりますが、相談室という言い方もありますよね。

清水

Cグループなんかは、連携室と相談室両方あって、連携室は入院とベッドコントロールと営業で相談室は退院調整を行う感じですね。

村井

ざっくり言うとCグループは連携室が入口系で相談室が出口系ですね。

貫井

特に呼び方の決まりは無いのですが、地域医療連件室や連携室、相談室、入退院支援室などと呼び方は様々ですよね。
またその部署に所属する職員の呼び方もM S W、ソーシャルワーカー、相談員と様々です。
また、特養は生活相談員(100:1)老健は支援相談員(100:1)で人員配置基準はあるのですが、医療には配置基準は無い、しかも無資格でもO K(加算の関係で社会福祉士の資格が必要な場合は多い)利益としては数字に出てこないが実は奥が深い部署ですよね。

清水

イグループでは相談室は、医療施設相談室という言い方で完全に後方支援に徹している感じですよね。

貫井

でも、中小病院で連携室と相談室両方設置している病院はあまり無いですよね。

清水

さくら記念病院は1つにまとめてますが、中小病院でも両方ある所は結構ありますよね。
T第一さんなんかはうちと同じやり方かもです。
(さくら記念病院では地域連携室3名、入退院支援室3名の配置で業務を行っている)

貫井

連携室や相談室の業務内容は入退院の調整、ベッドコントロール、営業が3本柱だと思いますがその辺はどうですか?

清水

ですね、そこをきっちっと詰めて行きたいのですが、実際営業に行くと相手側の営業(連携室)は受けると言っても、相手側の営業で無い所からウチは受けられないなどと言った事も多く、病院の部署間の温度差を感じることはよくありますよね。

貫井

病院によっては広報が病院の宣伝を受け持ち営業も兼ねていますよね。

村井

イグループはそうですよね。

貫井

営業方法はいろいろあると思いますが、基本ウチはこう言う患者(利用者)が欲しいんだと具体的に言えないとN Gですよね。
その為の治療方法や術式まで解ってないと営業にならないよね。

清水

それはそうですが、そこ解ってない営業ってあるんですか?

村井

ありますよ。
自院の状況をあまり理解していない営業、たとえば療養で1と2の割合を把握していないとか2を増やしたいのか1を増やしたいのか?ですよね。

貫井

Cグループ系は営業に力は注いでいる感じですよね。
事務長や本部の連中も営業に回ってますもんね。
逆にウチみたいな規模の病院が積極的に営業している所ありますか?
F病院さんはかなり積極的に連携室が動いている感じですが、他はどうですかね?
逆に自院がどんな患者をいつどのタイミングで欲しいのか解ってない営業は来られてもどう対応してよいか分からないですよね。

清水

そこを解ってないと出し先も分からないですよね。

村井

もう一つ重要な事は、連携室がどれだけ権限を持っているかですよね。

清水

そこは、デカイですよね。

貫井

さくら記念病院では連携室が入退院の決定権、ベッド移動(ベッドコントロール)の決定権を持たせているので良いのですが、そうで無いと医師と看護師と連携室の対立が起きて病院の運営効率が下がってしまう。
また、大きな病院では連携室に医師が居て医師が決定権を持っている、早く退院させなければならないのでこの患者はあそこの病院と決め打ちしているのでそういう所にはその医師に営業をかけなければならないですよ。
で、退院の基準はその患者の日当点と施設基準の把握(例えば地域包括ケア病棟であれば40日と60日の縛りがあるので早めの対応が必要。
また平均在院日数や看護必要度の把握)が重要なのだがお医者さんがそれを把握してない場合が多いです。

話は変わりますが、連携室の三本柱、入退院の調整、ベッドコントロール、営業ですが、ポイントはどれだけ営業に時間を取れるかが重要ですよね。
F病院さんは営業のみの部隊を持っている感じですよね。他の病院はどうですかね?

清水

Cグループは、営業専従は特に居ないが、定期的に営業は行かなければならない仕組みになっているが。
そもそも、連携室や相談室の職員になりたい人が居ないのが現状ですね。

村井

この職種は実は病名病状や治療法や術式そして施設基準まで把握してないと出来ないので育てるのにすごく時間がかかるのも事実ですよね。
さくら記念病院ももう一人連携室に人を入れたいのですが中々入って来ない、入ってもすぐ辞めてしまう。
それだけ未経験者には想像し難い職種でもあるよね。

清水

そう言うところもあり、営業はほとんどできず、中でベッドコントロールだけ行うってパターンは増えている感じもします。

村井

営業部隊を持つ余裕が無い所は、営業に時間を取るために入退院の事務手続きなどは事務員で良いかもですね。

清水

いろいろな関係性が分かっていれば良いですね。
例えば開業医の先生との繋がりとか。
また、待機者の方も柔軟にやれると良いですね。
問い合わせていきなり100人待ちですと言われても困りますよね。

貫井

営業に回る時のポイントとして誰に会うかは重要ですよね。
その病院や施設のキーマンが必ずいるのでその情報をつかむまで時間がかかるかもしれない。
例えば透析患者さん、7:1の病院では出し先を握っている腎臓内科の医師とどれだけ繋がれるかとか。

清水

でも、ワーカーに任せると言う医師もいますけどね。

貫井

連携室の業務は、特に法的縛りがある訳でも無いので様々な方法を取ることが出来る。
(病院の広告宣伝は法的縛りはあるが)また営業するための知識(症状、治療法、術式、施設基準など)と行動力、アイディア、そしてトークのセンスなどを併せ持った人が1人でもいれば病院の利益は一気に上がってくると考えられます。
3月の情報交換会にはこの辺を参加者皆さんとお話ししたいと考えています。
介護分野でも有料ホームの営業は当然ですが、特養や老健も営業が必要になってくる時代になると思いますので生活相談員や支援相談員の在り方も変わってくると考えます。

3月の情報交換会はセミナーというより参加の病院や施設の意見交換的な場にしたいと思いますので、ご参加のほど宜しくお願い致します。

清水